外貨預金とFXの違い

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外貨預金とFXの違いの目次


 昨今、外貨投資の中でも最も熱い注目を浴びているのがFXというものです。FXとはいったい何なのでしょうか

 一言で言えば、FXとは手持ちの資金の数倍〜数十倍の金額の外貨を運用することのできる仕組みなのですが、まずはこのFXについて説明に入る前に、「外国為替取引」全般について抑えておきましょう。

 「外国為替取引」というのは外国為替を取引する操作の総称ということになり、FXというのは、この一種です。そして、このFXと並んで広く行われているのが、銀行に外貨を預金する「外貨預金」というものです。この「外貨預金」も近年盛んに宣伝されていますので、聞いたことがある方も多いことでしょう。FXの方は、外貨預金とは違い、銀行ではなく証券会社や専門会社を通して外貨取引を行うものです。

 結論から先に言えば、外貨預金と比べて短期的に利益を上げることを期待できるのがFXなのですが、このカテゴリでは、この外貨預金とFXの大まかな違いを説明することで、FXの特徴を明らかにしていくことにしましょう。
 FXが登場する以前から行われてきた外国為替取引の一種として、「外貨預金」というものがあります。

 これは、銀行で外貨を買い、これを口座に預け入れておくというものです。証券会社などを通さず、普段利用している銀行で手軽に預け入れができるということで、比較的手軽に始められる外貨取引と言えるでしょう。

 次に、外貨預金のメリットとデメリットを説明します。
 外貨預金が注目されている理由の一つは、日本円の超低金利です。現在、日本円の預金金利が0.001%なのに対し、米ドルであれば0.25%、NZドルであれば0.5%です(三井住友銀行、2005年11月時点)。実にNZドルの金利は、日本円の500倍もあるのです。

 国内の金利である0.001%というのは世界にも類を見ないほどの低金利です。仮に100万円を1年間預金したとしても、得られる利息はたったの10円。これでは運用というよりは単なる貯蓄というべきでしょう。

 幾ら銀行に預けておいてもほとんど増えることのない円でお金を持っておくよりは、より金利の高い外貨で持っておく方が有利な資産運用であると言えるのは、一目瞭然のことでしょう。
 外貨預金による収入は、金利だけではありません。外貨を持っている以上、為替の変動によって日本円換算時の外貨の価値は必ず変化します。つまり、円高時に外貨を買って預け、円安時にこれを日本円にして引き出せば、金利とは別に、利益を得ることができます

 もちろん逆に、預け入れた時点よりも円高が進んでしまった場合は、その分損失が生じることもあります。

 このように、為替の変動によって得る利益のことを、「為替差益」といいます。次に、この「為替差益」というものをどのようにすれば得られるのかについて説明します。
 為替差益」というのは、為替レートの変動にしたがって発生する利益のことを指します。

 たとえば1ドル100円のときに、100万円で1万ドルを買い、銀行に預金しておいたとします。その後、1ドル101円まで円安が進んだとしましょう。このとき、預金しておいた1万ドルを日本円に戻すと、当然101万円になって返ってきます。この場合、預金する前の100万円と比べると資産が1万円増えたことになります。これが「為替差益」となるわけです。

 これに対し、預金の時点よりも円高が進んでしまった場合は、逆に損失が発生します。この損失を為替差損と言います。
 外貨預金のメリットとしては、先に述べた「高金利」と「為替差益」による運用以外に、資産の分散というものが挙げられます。

 銀行に日本円をいくら預けておいても、金利はほとんど発生せず、資産が増加することはほぼありません。だからといってその資産が「減少すること」はまずないだろう、と考えるのは早計です。

 外貨と比べて円の力が弱くなればそれだけ持っている資産の価値は減少しますし、インフレによって物価が急騰した場合も、同じことが言えます。非常に極端な話ですが、仮に全国スーパーで売っている品物の価格が全て倍になったとすれば、それは持っているお金の価値が半分に下がったということになるわけです。

 現在の日本経済の不安定な状況を考えれば、全財産を日本円で持っているよりも寧ろ、何割かを米ドル、何割かをユーロで持っておく、といった風に分散した方が、堅実な運用ということにもなりかねないのです。
 最近注目されている外貨預金の利用方法として、「海外旅行用の資産プールというものがあります。

 これは、たとえば一定の頻度でアメリカ旅行に行く、というような人が、あらかじめ米ドルを旅行用に外貨預金として貯蓄しておくというものです。

 円安のときに改めて日本円をドルに替えて海外旅行に行くと円高の場合と比べて余計な予算がかかってしまいますが、あらかじめ持っておいたドルを使えば、そうした損害は発生しません

 さて、ここまでは外貨預金のメリットばかり見てきましたが、外貨預金にも幾つかのデメリットが存在します。次はそのデメリットについて説明します。
 金利が高い、為替差益を狙えるなどのメリットを持った外貨預金ですが、資産運用という視点で見ると、かなり大きなデメリットが存在するのも確かです。

 中でも最も大きなデメリットが、手数料の高さです

 銀行で円の預け入れ/引き出しを行ってもそこに手数料というものは発生しませんが、外貨の場合は違います。

 外貨預金では通常、1ドルにつき、片道1円の手数料がかかります。つまり、1ドル毎に預金するときに1円、引き出すときに1円の損失が出るわけです。

 短期間で為替差益を得ようと考えるとき、これは致命的な損失です。単に預けて引き出すだけで2円の損失が出るということは、これを取り戻すためには2円を超えた円安が起こらなくてはならないからです。確率としては、短期間で2円の円安が起こる可能性はそれほど高くないと言えます。つまり、外貨預金では、短期間のうちに資産を増やすのは難しいのです。
 外貨預金のデメリットとして、税金があります。もちろんいかなる収入に対しても基本的に税がかけられるものですが、後に説明するFXと比べて、外貨預金の方がより高い税をかけられる可能性があるのです。

外貨預金による収入に対しては、2種類の税金がかけられます。

 一つは利息(金利)にかかる税金、もう一つは為替差益にかかる税金です。

 利息にかかる税金は、利息の受け取り時に20%が源泉徴収され、為替差益については、他の所得との合算において税額を計算することになりますので、原則として確定申告が必要です。ただし、収入が2000万円以下の給与所得者の場合、この収入が20万円以下であれば申告は不要です。

 また、これら2種類の税金は別々に徴収されますので、たとえ為替の変動によって損失を受けていたとしても、つまり「為替差損」が発生していた場合であっても、利息に対してはしっかりと税金がかかってしまうことになります

 なお、この後説明する「外国為替保証金取引(=FX)の場合、利息と為替差益の合算で税が付きますので、損失が出ている場合は税金がかかりません
 外貨預金は、スタート時点ではまず「外貨を買う」ことから始める投資ですので、購入時点で円安になっており、これから円高が進むような状況の場合、買った分だけ損をしてしまう可能性が高いといえます。少なくとも、円高から円安に向かう局面において、短期的に資産を増やすことはまず不可能です。

 これに対し、後に説明する「外国為替保証金取引(=FX)の場合、もともと外貨を持っていない状況でも「ドル売り」などからスタートすることができます。この方法なら、円高から円安に移行しているときでも投資を行うことができるわけです。
 外国為替保証金取引(いわゆる「FX」)とは、外国為替取引の一種です。

 外貨預金と比べたときの最大の違いは、取引会社に預ける金額の数倍〜数十倍のお金を運用できる点にあります。

 どういうことかというと、投資家証券会社に預けた「証拠金」を担保とすることで、手持ちの資産の数倍〜数十倍という大規模な資産運用ができるようになるのです。

 たとえばFXでは、証券会社に10万円を預けることで、100万円分の米ドルの売り買いができます。たとえ10万円しか持っていなくとも、1ドル=100円のときに100万円分の米ドルを買い、1ドル=101円のときにこのドルを売る、といったことができるのです。このとき手元に残るのは、証拠金10万円+差額の1万円です。この場合、10万円の資金で1万円の利益を上げることに成功した計算になります。つまり、1ドル=1円分円安が進んだだけで、10万円を11万円に増やせたことになります。したがって、預けた金額でしか運用のできない外貨預金よりも遥かに高い運用効果を期待できるわけです。

 なお、以上の計算は手数料を無視していますが、取引にかかる手数料は何と外貨投資の10分の1程度しかかからないというメリットもあります。
 外国為替保証金取引はしばしば「FX」と呼ばれます。「FX」とは「Foreign Exchange」の略で、直訳すれば「外国為替」となります。つまり、言葉の意味を純粋に捉えれば、FX=外国為替保証金取引ではなく、FX=外国為替ということになり、この解釈では外貨預金もFXに含まれることになります。

 どちらの解釈が正しいのか、というわけではなく、広義では「FX=外国為替」、狭義では「FX=外国為替保証金取引」という風に考えれば良いでしょう。

 ただし、最近は「FX=外国為替保証金取引」と見做してこの用語を使う場合が圧倒的に多いようです。したがって、これ以降の文章で「FX」という用語を用いる際は、全て「外国為替保証金取引」を指すものと考えて下さい。
 FXの持つ最大のメリットは、やはり「少ない資金で大きな勝負が挑める」という点に尽きるでしょう。つまり、外貨預金の場合、たとえば円安が進みつつあるときに1000万円分のドルを買って投資を行うためには1000万円分の資金が必要でした。これがFXであれば、100万円あれば、1000万円分のドルを運用し、ここに発生した為替差益を手に入れられるのです。

 たとえば1ドル=100円のときに1000万円分のドルを買えば10万ドル。その後円安が1円進んで1ドル=101円になれば、10万ドル=1010万円となりますので、10万円分の利益が出ます。外国為替において、一晩のうちに1円変動するということは珍しいことではありません。上手く行けばたった100万円の投資で、一晩10万円の利益を期待できる投資、それがFXなのです。

 また、そのほかにもFXには、円高が進む局面でも勝負できる」、「手数料が安い」など、さまざまなメリットがあるのですが、これらの詳細は次のカテゴリ「FXの特徴」で説明します。
 少ない元手で大きな差益を得られる可能性を秘めたFXは、うまく運用すれば一晩のうちに資金を倍に増やすことも不可能ではありません。ただし、これは為替の流れによっては逆に極めて短期間のうちに多大な損をこうむる危険を秘めていることにもなります。

 たとえば100万円を担保に10万ドルを買い、為替が1ドル=100円から1ドル=99円に下がったとしましょう。このとき生じる為替損益は、10万円です。為替が1円変動しただけで、たった一晩のうちに投資した100万円が90万円になってしまうかも知れない。これがFXのハイリスク・ハイリターンといわれる所以です

 FXは定期的に生じる外貨の利息を得ることを主目的にした外貨預金の場合と比べて損失がシビアな投資となりますので、あらかじめそのリスクを理解した上、慎重な運用が求められると言えるでしょう。
 長引く日本の超低金利時代をお得に切り抜けるための知恵として共に注目されている外貨預金とFXですが、二つの投資方法には決定的に違いがあるということが、以上でお分かりになったのではないでしょうか。

 外貨預金はリスクが低い分、取引の手数料が高いこともあり、短期間で効果的に資産を増やすのには適していません

 これに対して、FXは少ない資金を使って短期間で大きな利益を生む可能性を秘めています。ただし、その分リスクも高いですので、慎重な取引と不断の情報収集が欠かせないと言えるでしょう

 なお、FXに関するさらに詳しい知識は、カテゴリ「FXの特徴」で説明します。

銀行の外貨預金は安全だと思っていませんか?

外貨に投資する方法は、銀行への外貨定期預金、FX(外国為替証拠金取引)などありますが、
いったいどちらの方法で外貨投資を行えば安全に資金を増やせるのでしょうか?

米サブプライム(高金利型)住宅ローン問題で円高が進み、1ドル100円を切ると割安感から
外貨預金に資金を預ける人が多くなっているとニュースで話題になっています。

これは将来相場が円安に反転した場合の為替差益を狙う個人投資家が急増しているのが
要因とされていますが、果たしてこの外貨預金という選択肢は本当に正しいのでしょうか?

ここでは、外貨預金とFXを外貨に投資する上で必ず押さえておきたい4つのポイントについて 分かりやすく説明していますので、ぜひ外貨に投資をする前に学んでおきましょう。


為替手数料
外貨預金 FX
片道1ドル当たり1円 無料〜

外貨預金は銀行で取り扱っていることから何となく信用できるように感じられますが、 為替手数料が掛かります。大手銀行では米ドルで片道1円です。つまり1ドル98円で預けた場合、 最初から99円でスタートするということです。またドルを円に買い戻す時にも同様の手数料が 掛かりますので、ドルが98円から100円になったとしても為替差益を得ることはできないの です。

一方、FXでは現在、取引による手数料が無料というFX会社が主流となっています。
小額(1000通貨単位)から取引を行うことができる会社では一定の売買手数料が掛かることが ありますが、銀行の外貨預金とは比べ物にならないほど安価です。

流動性
外貨預金 FX
原則一定期間 売買自由

外貨預金にも普通預金と定期預金と2通りあります。普通預金の場合はいつでも預けておいたドルを 円に戻すことができますが、金利は低く設定されています。定期預金の場合は10万円からの 預入金額となり、原則として一定期間ドルを円に戻すことができません。サブプライムローン問題は解決したわけではなく さらなる円高に進んだ場合、即座に解約しづらい定期預金はリスクが高いと言わざるを得ません。

一方、FXでは基本的に平日の24時間取引ができますので、ご自分の投資スタイルに合わせて、自由に 売買をすることができます。

預金保護制度
外貨預金 FX
預金保険制度対象外 信託保全により保証

円の普通預金や定期預金では1金融機関につき元本1000万円までの預金保険制度(ぺイオフ)が ありますが、外貨預金は保険制度の対象外となります。

FXでは、現在FX業者がたくさんありますが、中には信託保全を完備していない会社や 信託保全と謳っていても十分な保証がされない会社も残念ながら存在します。

そういったFX会社にお金を預けてしまうとその会社が倒産した時にあなたの財産が戻ってこなくなる 恐れがあります。そのためにもFX会社は安全で信頼性の高い会社を選ぶべきです。

税金
外貨預金 FX
利息分は一律20%の源泉分離課税
為替差益は雑所得
為替差益と金利共に雑所得

外貨預金の利息分については一律20%の源泉分離課税、為替差益は雑所得の扱いとなり、 原則確定申告が必要となります。注意したい点は、為替による差損が発生していた場合であっても、 利息に対してはしっかりと税金が掛かってしまうことです。

一方、FXでは為替差益と金利は雑所得として給与所得等と共に合算して総合課税となり、 原則確定申告が必要となります。

このように見ると、外貨預金は銀行が扱う商品だけになんとなく信用できそうだということで、 日頃使っているメインバンクに外貨用の口座を開設してしまいがちですが、『本当に銀行に預けて 良いものなのか?』再考する余地がありそうですね。

そもそも、この円高時に銀行が個人投資家の獲得に躍起になっていることに疑問を感じることができなければ、 賢い投資家とは言えません。

そうです。銀行は為替手数料で儲けようという魂胆なのです。注意してください。

それでは、今、話題のFXではどうでしょうか?

FXでは、小額からスタートでき、為替手数料が無料、24時間いつでも出し入れが可能ということで レバレッジを高く設定しすぎるなどのリスクを管理して運用すれば、スワップ金利(外貨預金より高く設定されている) も毎日得ることができ、まさに今注目されるだけの要素が十分に備わっているのです。

FXで1点だけ注意しておきたいことは、預けたお金の信託保証、保全管理がしっかりとできている会社に 口座を開設するということです。

FX業者で信託保全が整っていて安心してお取引できるのは、伊藤忠グループのFXプライム、 口座数No.1で会社規模が大きいひまわり証券です。

双方とも今回FXを初めて取引するという人のためのサポート(電話サポート、マニュアル完備)も万全に 整っていますので、安心してお取引できます。




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