FXにおける基本的な取引の仕方

TOP > FXにおける基本的な取引の仕方

FXにおける基本的な取引の仕方の目次


 ここからは、いよいよ取引会社に取引用の口座を設け、実際にFX取引を開始する段階に入ります。

 パソコン画面上での操作方法は取引会社によって異なりますが、取り扱い可能な外貨のレートは常に表示されているはずですので、これらの売り/買いのレート数値を見ながら、どの貨幣をどれだけ買うか、あるいは売るかを指定すれば、リアルタイムでそのとおりの取引を行うことができます。

 しかし、この方法の場合、たとえば「自分が目を放している、あるいは眠っている隙に買ったドルが急に上がった場合、最高のタイミングでこれを売れない」または「買っていたドルが眠っている間に急落して、これを手放すことができないまま大損をしてしまった」といったリスクが常に付きまといます。

 もちろん、こうした事態を避けるための機能が、FXにはあらかじめ備わっています。それが「指値」や「ストップオーダー」といったものなのですが、これらについて、次に説明します。
 たとえば、ドルを買い付けている状態で、自分が眠っている間にドルが急騰し、目が覚めてパソコンの前に座る頃にその急騰が収まっていたとしたら、これはせっかくの大チャンスを逃したことになるでしょう。しかし、24時間常に細かく変動する外国為替相場の世界では、しばしばこうしたことは起こりえますし、だからといって、24時間ずっとパソコンの前にはりついてレートを監視しているわけにはもちろん行きません。

 このようにチャンスを逃すことがないように、FXの世界では「指値」という概念があります。これは、現時点で取引を確定させず、「為替レートが自分の指定したレートに他逸したときに注文が成立する」というものです。

 たとえば「1ドル=100円」のときにドルを買っている状態で、「1ドル=101円までドルが上がればこれを売る」という指定を、あらかじめ取引会社に対して行うことができます。こうすれば、たとえパソコンの前を離れている間にチャンスが訪れていても、きちんとそれを逃さず対処できるわけです。

 また、「売りポジション」からスタートしている場合は、この逆になります。この場合は、「売っていたドルのレートが一定以下まで下がったら買う」という指定をすることになります。
 チャンスを逃さないためにあらかじめ行う「指値注文」とは逆に、リスクを減らすためにあらかじめ行う注文を、「ストップロスオーダー」と言います

 これは、あるポジション(売り/買いどちらでも)を持っているとき、為替レートが自分の不利なほうに変化し、損失が出てきたときに、それ以上の損失を避けるためにポジションを決済する注文です。

 たとえば1ドル=100円のときにドルを買った場合を考えてみましょう。いくらその後ドルが上がるという計算の元に買っていたとしても、相場というのは思ったとおりに変動するとは限らないもので、もしかしたら自分の眠っている間に一気にドルが急落する可能性もないわけではありません。

 そこで、あらかじめ自分がどこまでなら損失を出してもいいか、というボーダーラインを設けるのが、ストップロスオーダーの考え方なのです。たとえば1ドル=98円よりもレートが下がって損失を出すのはどうしても避けたいという場合は、「1ドル=98円」であらかじめストップオーダーを出しておき、このレートまでドルが下がったら、自動的に買っていたドルを手放すように設定できるわけです。

 外国為替によるリスクを完全になくすことは不可能ですが、このようにストップオーダーを活用すれば、少なくともそのリスクを「自分の想定内に抑える」ことが可能になるわけです。

 なお、今説明したのは「買いポジション」から注文を始めたケースですが、「売りポジション」からスタートした場合の操作はこの逆で、「売った外貨が一定のレートよりも高くなった場合、これを買い取る」という指定をすることになります。
 「ストップロスオーダー」以外にも、投資家が損失を抑えるための機能があります。それがロスカットというものです。

 ロスカットというのは、投資家が取引先の口座の預けている資金が、持っている外貨のポジションに対して一定の水準を下回った場合、つまりその維持率が一定以下になったとき、それ以上そのポジションを持つことができなくなるというシステムです。つまり、手持ちの資金が一定以下になったら、それ以上投資するのはやめるようにと、自動的にストップがかかるわけです。

 手持ちの資金の十倍以上の取引が可能となるFXでは、理論上、損害額が手持ちの資金を上回り、マイナスとなってしまうということが起こりえるのですが、この「ロスカット」の仕組みがあるおかげで、こうした事態を避けることができるのです。

 ロスカットがかかったとき、それ以上取引を続けるためには、新たに口座へ資金を入金しなくてはなりません。もし追加の入金がされなければ、そのまま今持っているポジションは反対売買されてしまいます。
 ロスカットと似た発想で生まれたリスク管理システムに、マージンコールというものがあります。

 これは、顧客のもっているポジションに対して取引会社が時価評価を行い、この結果、口座に預けられている資金が、ポジションのマイナス評価分を差し引いたとき、取引に必要な保証金金額の2分の1を下回っているとき、取引会社から顧客にメールでの連絡がされるというものです。

 このとき、資金の減少が設定されたロスカットレベルに到達している場合もありますので、この場合は追加入金かポジションの縮小を推奨することにもなります。

 ただし、マージンコールのために行う取引会社のチェックは基本的に1日に1度しか行われませんので、急な相場の変動のために大きな損失が出ているときには、連絡が間に合わない場合もあります。こういうときのために、ロスカットによる自動ポジション処分機能が用意されているわけです。
 FXに限らず、投資の世界において大きな損失を回避するための鉄則として、「余裕投資」という概念があります。

 つまり、生活費には決して手をつけず、自由に動かせるお金の範囲内で投資をすべきだという考え方です。

 特に、基本的に莫大な損失を生むことはない外貨預金と比べて、FXの場合は下手を打つと手持ちの資金が半減してしまう可能性をもはらんだ、ハイリスク・ハイリターンの取引となります。

 資産のどれだけをFXに投入するかはそれぞれの生活環境によって判断すべきところですが、プロのディーラーの意見によると、投資するのは自由にできる資金のうちの1割程度に抑えておくのが良いなどと言われています。

 いずれにせよ、いくら綿密に計画を立てても、いつ何時、どのような突発的な事件が起こらないとも限りません。投資に関しては、いくら慎重になっても慎重すぎるということはないでしょう。



外国為替全般に関する基礎知識 外貨預金とFXの違い FXの特徴 FXにおける手数料

為替の変動を読むためには FXを始めるための手順 FXにおける基本的な取引の仕方 取引会社を選ぶときのポイント

FXと税金 主要なFX取引会社の特徴 取引業者のデータ別比較表 コスト(手数料)による比較

コスト(スプレッド)による比較 最大レバレッジによる比較 通貨ペアによる比較 スワップ金利による比較


>>>  [FX]外国為替証拠金取引NAVIのTOPへ